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飛距離と角度

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2024.05.05
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2008.11.11
ブログなので名前変換無しです。
お相手は王様、ベタ展開。 全10話完結予定、続編無し。
ブログ用に書いたので少々短いですが、
読んでいただけたら嬉しいです^^
完結したらメインにまとめてUPします。

隠してあるので読みたい方は「続きを読む」で開いてください。

call a name 01







目が覚める。
いつもと変わり無い平凡な毎日が、否応無しに繰り返されるんだ。
けれど、いつもと違ったことがあった。
「あれ・・・?」
目覚まし時計にセットした時間は朝の6時。
毎日うるさく鳴り響く目覚まし時計を親の仇の如く叩いて止めるのだけど。
現在の時刻は明け方、5時手前。
何だってこんな時間に目が覚めたんだ・・・!
早起きなんて私の辞書には絶対無いのに!!



─── ・・・きて



「うわっ?!」
変な声がどっかから聞こえて、私はびっくりして思わず布団を顎まで引き寄せる。
小さな声は女性の様で、何度も何度も繰り返し、
あげくにどんどん迫ってきている感覚に陥った。
”・・・起きて・・・”
お、起きてるって!
それより、この声は誰なの? もしかして泥棒とか?
”もう時期あの方が目覚められる。 だからあなたも目覚めの時”
「・・・あの方?」
小さな声はどこかで聞いたことがあるような・・・でも誰だか分からない。
それに、それっきり声は聞こえなくなってしまった。
「・・・」
目覚めの時って言われたって、どないせーっちゅうの?
言うだけ言って消えちゃうなんて無責任!
「まったく、何なのよ・・・」
このまま布団に潜りこんで寝ることはきっとできない。
仕方なくベッドから降りて洗面所に向かう、
目が覚めちゃったんだからしょーがないよね。
潔く起きて会社に行く準備して、時間があるから弁当でも作るか。
洗面所に行く前に冷蔵庫から昨日の残りのご飯を取り出して解凍しておこう。
それにしても、一体何だったんだろうさっきの・・・。
誰が目覚めようと私には関係無いのに、
ついでみたいに私まで起こすなんて迷惑。
安眠を妨害されただけでも腹立たしいのに、
変なことまで言うだけ言って帰っちゃう(?)んだもん。
「意味不明だー」
まぁいいか、とりあえず歯を磨いて顔洗って・・・。
「ん?  ・・・・・・・・・どちらさまですか?」
おかしいな・・・、目の前に見たことあるような・・・でも自分じゃない誰かが居る。
「あれ?!」
そうだよ、目の前は洗面所の鏡なんだから、どちらさまも何も私しか居ない・・・。
「な、なにこれ?!」
思わず自分の頬を抓ってみたけど、お約束の行動もまた、
お約束の結果にしかならなかったわけで。
鏡の中の人も私と同じ行動を取っていたのだ。
「・・・もしかして」
なーんか見たことあるんですけど。
私は恐る恐る服を脱いでみる。
「やっぱり!!」
パジャマのズボンを脱ぎ、
上の服も脱いで下着姿になったらソレが確実のものと分かった。
何がって? 体型が違うから・・・。
それに、鏡で見て核心する。
「わ・・・若返ってる・・・!!」
そう、私は以前学生の頃は今より多少痩せていた。
若干胸まで小さくなっているけど、痩せられたことに比べれば安いものだ。
「すごーい!肌がつるつる!!」
既にタバコもお酒も嗜むようになって随分経っている歳だ、
高校生くらいに戻った私の身体は思い出に残る記憶より鮮明に実感することができる。
「化粧なんて要らないくらいだ・・・」
と言うか、嬉しいは嬉しいのだけど・・・何故に若返ったんだ?
やっぱり原因はあの声だろうか?
それとも、若返りたいと願う私の気持ちを神様が叶えてくれたとか・・・?
「ちょっと待て」
よーく考えてみてよ、若返ったってことは・・・?
「会社行けないっ!!!」
このままじゃ会社に行った時点で門前払い。
しかも出勤できないってことは働くことができないという訳で・・・。
今のアパートの家賃はおろか、食費だって稼げなくなってしまう!
「あああ・・・ ど、どうしよう・・・」
携帯の料金も光熱費も払えない。
今更実家に帰ったところで、若返った私を家族が見たらなんて言うだろう。
お、恐ろしい・・・。



しばらく洗面所で下着姿のまま放心していた私は結論に至った。
もしこの現象があの声のせいだとしたら、犯人を捕まえて元に戻してもらうしかない。
こんな非現実的なことになってしまったのは声の主が原因としか分からないわけだし、
戻せるとしたらそいつしか居ない。
とりあえず、レンジでごはんを解凍していたからそれを取り出して弁当を作り、
会社にはありったけの有給を使って当分休みますと電話した。
あの声の主を探すにしても、一体どこから探せばいいのやら・・・。
化粧の要らないくらいつるつるな頬を撫でながらそんなことを思った。





唯一の手掛かりがベッドの上で光っていたけれど、
それに気付いたのは随分経った昼過ぎだった。







続く・・・
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